譲渡益課税を減らすにはどうすればよいか

2021/05/03

利益を確定した時、常に税金を支払わないという方法はありません。しかし保有している間は利益が出ていても税金は掛からない点に注目したいと思います。

つまり株やETF、投資信託は売却しなければ、利益が確定せず、課税額が決まらないから、税金を払いようがないということです。このことは、もっと意識されるべきだと筆者は考えています。





売買手数料は安くなった

現在の楽天証券、SBI証券の売買手数料は概ね以下の通りです。(2021/10/03時点)

楽天証券SBI証券
1日の約定代金合計いちにち定額コースアクティブプラン
100万円まで0 円0円
200万円まで2,200円1,238 円
300万円まで3,300円1,691円

・SBI証券は300万円超は、100万円増加毎に295円ずつ増加。
・楽天証券は300万円超は、100万円増加毎に1,100円ずつ増加。

売買手数料は以前に比べてずいぶん安くなったと思います。100万円以下の購入であれば無料になりました。

長期運用が目的ならば、日を変えて小分けに購入することで実質無料になったと言っても過言ではないでしょう。

残る費用は、譲渡益課税

株や投資信託を売却したとき、利益が出ていればその利益額の20.315%を税金として支払わなければなりません。

内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。

対応策としてNISAを使うことでこれら3つの税金を無税にすることが出来ます。ですが、1年間に投資できる金額の上限が設定されています。NISAは120万円、積立NISAであれば40万円です。少々物足りないですよね。

冒頭にも書きましたが、長期で運用を考えている場合は売却しないという方法が有効です。売却しなければ税金はかかりません。土地や建物などを所有しているだけで税金が掛かる固定資産税みたいなものは、株や投資信託にはありません。

譲渡益課税で圧迫される運用益率は

100万円を投資して、毎年5%の含み益が発生したとします。10年間「ほったらかし」にした場合と、5年目に一旦、売却してすぐに同じ価格で買い戻した場合を比較しますと以下のようになります。

5年目に一時的な株価の急落で不安になり、一旦売却したとします。うまく逃げたと思っても、再び買い直すことはたいへんな勇気が必要になり、結局売却した価格と同じ価格で買い戻せたと仮定します。

筆者もやってしまった、「あるある」だと思います。

一旦売却した価格は1,215,506円で20.315%の税金を引くと再スタートは1,171,726円になります。税金を払わなかった場合と比較して大きなハンディキャップとなります。

配当金にも税金が…所得税及び復興特別所得税

日本国内であれば年2回、米国株であれば年4回配当が支払われます。この配当額にも譲渡益課税と同じ率(20.315%)の税金がかかります。配当金を受け取ったとき(配当所得) <国税庁>

仮に毎年3%で株価が上昇し年2%の配当を出す株(銘柄)があったとしましょう。配当を、(1)すべて再投資(得た配当で株を無税で買い増し)する場合と、(2)都度受け取って課税(20.315%)された後に再投資した場合を比較したら以下のグラフのようになります。

投資期間無税で再投資課税後再投資
10年1.64倍1.57倍
20年2.68倍2.48倍

最初に100万円投資したなら、20年後に20万円の差になります。

無税で配当を受け取る方法としてNISAがあります。最大限活用すべきなのは言うまでもありませんが、投資額に上限があって何時でも使えるわけではありません。

一方、投資信託では配当を非課税のまま自動的に再投資してくれる仕組みを備えたものがあります。これであれば、再投資時の課税を逃れられます。 この点においては株やETFより投資信託のほうが優れています。

この再投資してくれる投資信託をNISA枠を使って購入することは、NISAの「課税逃れ機能」が効果的に機能しないことになり、いわば無駄使いですので、これらの投資信託は特定口座で購入するようにし、配当を受け取りたい、たとえば高配当株やETFをNISAで購入し、無税で配当を受け取ることをお勧めします。

もし、個別株やETFを購入しないのであれば、NISAをつかって投資信託を購入するのも良いと思います。ずっと先の将来であっても、売却時に税金がかかりませんからね。

まとめ

  • 売買手数料は実質無料になった。残っている大きな費用は、税金!
  • 無駄に売買しないことが節税になります。税金による利益率の圧迫を抑えることが出来ます。
  • 配当が出る銘柄はNISAを活用して配当にかかる税金を無税化し、これを再投資することを勧めます。
  • (一部の)投資信託であれば、配当を自動的に再投資する機能があり、配当にかかる税金を逃れることが出来ます。