債券へ投資のススメ

金利が上昇し始めると投資の軸足を株式から債券へ切り替える準備に取り掛かります。
債権って何?っていう人にもわかるように説明しますので最後までお付き合いください。
債券とは?
債券(さいけん、英: Bond)とは、社会的に一定の信用力のある発行体が資金を調達する際に、金銭消費貸借契約に類似の法律関係に基づく金銭債権の内容を券面上に実体化させて発行する有価証券のこと。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ざっくり説明すると「国や企業等が、投資家からお金を借りるときの証書」です。
国が借金した場合の証書は、「国債」と言います。
企業が借金した場合の証書は、「社債」と言います。
これを持っていると、定期的に利子を受け取れます。
そして、期日がきたら借りた(投資した)お金が返ってきます。
債券へ投資する方法
特定の国の国債や特定の企業の社債を購入することが可能であり、決められた利子を受け取ることが可能です。
リスクとして、国が破綻、もしくは企業が破綻すると借金(投資額)はほぼ帰ってきません。
よって、たくさんの企業の債券をひとまとめにした投資信託、もしくはETFに投資するのが良いです。
分散は投資の基本です。
次に投資先の話です。
日本国内の債券への投資はリスクが小さいですが、リターンも小さいです。
最悪、売値と買値が同じになって手数料分だけ損をします。
海外、とくに米国への債券投資は少々リスクがありますが、その分のリターンが見込めます。
おすすめは、米国の債券となります。
債券投資のおススメ銘柄紹介
紹介する商品は、投資先が債券を順繰り買い回してくれますので、ある時期が来たら投資額が返還されるようなことがありません。
売却をしない限りずっと投資していることになり、その間1~2回/年の利子を配当として受け取ります。
日本円で投資信託の形で購入
日本国内から日本円で海外(主に米国)債券へ投資をするなら以下の投資信託が良いです。
日本を除く先進国の債券市場の値動き(FTSE世界国債インデックス)に連動する投資成果をめざします。
配当金:2.2%程度/年(自動的に再投資)
配当回数:年1回
資産の内訳比率は以下の通りです。

売買手数料は、0円(無料)です。
信託報酬(1年間にかかる手数料)は投資評価額の0.154%です。
日本円でETFの形で購入
日本の市場である東証で購入するならば、ETFとして購入するのが良いです。
東証コード:2511 「FTSE世界国債インデックス(除く日本、為替ヘッジなし)」
この商品もFTSE世界国債インデックスへの連動を目指します。
配当金:2.2%程度/年
配当回数:年2回
資産の内訳比率は以下の通りです。

売買手数料は株式の売買手数料と同じ。
信託報酬(1年間にかかる手数料)は投資評価額の0.12%前後です。
米ドルでETFの形で購入
ドルを持っていて、米国の株を売買できるのであれば、米国ETFを購入するのも良いでしょう。
シンボル:BND バンガード・トータル債券市場ETF
ブルームバーグ・キャピタル総合債券指数に連動します。
配当金:2.2%程度/年
配当回数:年12回
売買手数料は株式の売買手数料と同じ。
信託報酬(1年間にかかる手数料)は投資評価額の0.035%です。
債券の値動きはどのようなもの?
一般的にいわれている値動きは、
①金利上昇局面で債券は売られ、価格は下がっていきます。
②金利が上昇し、ピークを付けたあたりで債券価格は最安となります。
③金利が下がる局面で債券価格は上昇していきます。
いまは、金利上昇局面ですので買い時ではありません。
ですが、今から準備を始めて、金利がピークになるあたりで買うことを目指します。
過去のデーターで価格の動きを検証する
過去のデーターを参考にすることが今後も有効かどうかは、わかりません。
気休めですが、やらないよりマシです。やってみましょう。
以下のチャートがBNDです。縦軸がドル、横軸が年号です。

以下が政策金利の推移です。2020年以降2022年まで0~0.25%が続いています。

BNDは2007年から2009年までの金利下落局面で5%程上昇しています。
上昇は、2013年頃まで続き、さらに10%程上昇しています。
その後、2016年から2019年までの金利上昇局面で10%程下落しています。
2019年から2020年中ごろまでの金利下落局面では、15%程上昇しています。
ここでもう一つ注目したい点は、債券価格の変動幅です。
コロナショックにおいても12%程度の下落で済んでいます。
この間。株式は30%弱下落していますから、変動が小さいことが伺えます。
債券投資の妙味
債券投資のうまみは、以下の2つです。
①価格の推移がおおよそ読めるため、買い時と売り時がわかる。
②価格が動く幅が小さいので短期でもリスクが小さい。
※ご注意:
上記おススメ銘柄に限っての見解です。他にはリスクが高く、値幅の大きい債券があります。
投資した資産を取り崩す場合は、株式よりも債券のほうがやりやすいです。
今すぐではないが、5年後に使うかもしれない資金は、債券投資が良いかもしれません。
ですが、投資を開始する時期を誤ると損失が拡大しますから、ライフプランとマッチするかが重要です。
まとめ
- 債券とは、国や企業にお金を貸し付けた時の証書です。
- 債券を持つと、毎年利子を受け取れます。
- おススメ銘柄は、eMAXISSlim先進国債券インデックス、ETF2511:世界国債インデックス、BND です。
- 投資を始める時期は政策金利が上昇しきった頃です。金利上昇過程では値が下がる傾向があります。
- 値が大きく上下しないので、株式よりも短期向き。(上記おススメ銘柄に限る)