株価が下がってしまい投資信託を売るか迷ったら総口数の推移グラフを見てみよう
筆者は、eMAXIS Slim米国株(S&P500)を毎月、積立購入しています。このまま積立を続けても大丈夫なのか判断する材料の一つに投資信託が「買われ続けられている」かどうかを見ています。
でも、何を見たら「買われ続けられているか」がわかるのでしょうか? 総資産額をみても、株価が下落とともに減っていきますので、買われているかどうかわかりません。
じつは「買われ続けられているか」を見極めるには「総口数」を調べる必要があるんです。総口数は「純資産総額÷基準価額」で計算できます。
eMAXIS Slimで比較してみる
eMAXIS Slimシリーズで最も総資産額が大きいのは、米国株(S&P500)です。
他には、
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
などがあります。
これらの現在(2025/2/7時点)の総資産額、基準価額、総口数をまとめてみました。
シリーズ名 | 純資産総額 (億円) | 基準価額 (円) | 総口数 (億口) |
---|---|---|---|
米国株(S&P500) | 68,337 | 33,340 | 20,509 |
オールカントリー | 54,832 | 27,258 | 20,116 |
先進国 | 8,880 | 33,443 | 2,519 |
オールカントリー (日本除く) | 6,513 | 27,637 | 2,357 |
8資産均等型 | 3,223 | 16,870 | 1,911 |
新興国 | 1,848 | 16,338 | 1,131 |
TOPIX | 2,582 | 21,065 | 1,226 |
日経平均 | 1,504 | 18,721 | 803 |
純資産総額を見ると、
・米国株(S&P500)は6兆円を超えた
・オールカントリーが5兆円を超えた
・TOPIXが2500億円を超えた
といった状況です。
総口数の推移をグラフにして比較してみる
では、総口数を計算して推移を見てみます。
米国株(S&P500)

年初からも勢いは衰えていない様子です。
筆者は心配は無いと判断しています。
オールカントリー

2024年初から急激に口数が増えています。勢いは米国株以上です。2025年初も加速しています。
- 投資先の6割が米国です。
- 新興国はおよそ10%です。
「日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざします」と目論見書に書かれています。
構成比は一年前に比べて
- アメリカが1.9%増えた
- 中国が0.3%減った
- インドが0.4%増えた
- 台湾が0.3%増えた
- 日本が0.5%減った
- 新興国と先進国の比はほぼ変わらず
2024年9月末時点の比率

2023年9月末時点の比率

先進国

主に米国、欧州、オセアニアを対象にした投資信託です。
目論見書には「日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざします」とあります。

こちらも、増加傾向が続いています。
オールカントリー(日本除く)

オールカントリー同様、順調に伸ばしています。
年初からも伸びは継続していますが、オルカン(日本含む)程の大きな上昇はしていない様子です。
8資産均等型

8種の投資先を均等にリバランスしながら運用される投資信託です。
目論見書には「日本を含む世界各国の株式、公社債および不動産投資信託証券市場の値動きに連動
する投資成果をめざします」とあります。

こちらも、年初からの勢いは衰えていない様子です。
新興国

順調に上昇を続けています。
「中国+台湾」で投資先のおよそ4.5割を占めます。
インドと台湾の比率が増加する一方、中国が減少しています。
2024年9月末時点の比率

2023年9月末時点の比率

TOPIX

オルカン同様、2024年初から急激に口数が増えています。
勢いは米国株以上です。
ですが、口数は遠く及びません。
8月の日本株暴落明けに一時的に買いが加速しています。
日経平均

こちらも2024年初から急激に口数が増えています。
こちらも8月の暴落明けに大きく買われています。
他の投資信託とは異なり、口数の下落が散見されます。
年初来の口数上昇率比較
年初来からの口数の上昇率をグラフに表してみました。
また、2023年末に対して2025年2月7日時点の口数がどの程度増えたかを率で表しています。

- オルカンとTOPIX、日経平均の口数上昇率が大きい。
- S&P500とオルカンの総口数の大きさが際立っている。
TOPIX、日経平均の口数上昇率が高いとはいえ、基準となる2023年末の総口数が小さいため、S&P500とオルカンに比べて流入金額は遥かに小さいです。
まとめ
- 買い続けるか否かは、「総口数」の増減が判断目安の一つになります。
- eMAXIS Slimシリーズの多くは、株価の上下に関係なく安定して総口数を伸ばしています。
- 「8資産均等型」以外は、株式のみへ投資する投資信託です。
全体的に口数増加が堅調であり、特に2024年初からはリスク資産への投資が増えている状況が伺えました。NISAの効果が顕著に表れていると思われます。
新興国の国別比率でインドが比率を高めています。一方、中国は減少しました。
おススメ書籍
投資において「インデックス投資」以外は「敗者のゲーム」であることを実例を挙げて説いています。