米国株に連動する投資信託が儲かっている理由

インフレが続くために米国株の下落が止まらない状況の中、年初に買った米国株に連動する投資信託には利益が出ています。どうしてなのでしょう?
年初に購入した投資信託の現在利益は?
今年の1月4日に120万円分のeMAXIS Slim 米国株(S&P500)を購入しています。

そして、現在、81,427円の利益が出ています。

一方、この9か月弱の間に、米国株指数は、4,793から3,932へ18%下落しています。
なぜ利益が出ているのでしょうか?
それは、為替が影響しているからです。
為替は、115円から144円へ25%ドル高円安になっています。
米国株投資は為替の影響を受けます
年初と現在のそれぞれの価格をまとめました。
項目 | 2022/1/4 | 2022/9/14 | 増減率 |
---|---|---|---|
米国株指数(S&P500) | 4,793 | 3,932 | -18% |
為替:ドル円レート | 115 | 144 | 25% |
米国株指数 × ドル円レート | 551,195 | 566,208 | 3% |
eMAXIS Slim米国株(S&P500) | 19,291 | 19,979 | 4% |
米国株指数が下落する中、為替がその損失を補っています。
米国株投資を行っている方々は、この恩恵を受けていて大きな損失を受けずにいることでしょう。
では、今後も安泰かというと、そのようなことはありません。
過去に株価指数が54%も下落したリーマンショックがありますが、この時の為替は32%ドル安円高になりました。
項目 | リーマンショック | 今回 |
---|---|---|
米国株指数 増減率 | -54% | -18% |
ドル円レート 増減率 | -32% | 25% |
米国株指数 × ドル円 増減率 | -69% | 3% |
今回の状況とは異なり、為替レートが資産の下落幅を増幅しています。
米国株が停滞したまま、円高になることを考えましょう
今後の展開で最悪なのは、為替レートが円高に振れ、米国株がさえない展開をしたときでしょう。
今後のレートが年初の115円までドル安円高になった場合、資産が20%減少します。
これが実際に起きたとき、心身が耐えられるかどうかを考える必要があります。
厳しいなと思われるならば、今から対策を講じたほうが良いでしょう。
円高を想定して対策しておく
どのような対策があるでしょうか?
インデックス投資において良くないとされる行為は、持っている資産の売却です。
とくに資産の下落に恐怖し、明確な理由なく、単に苦しみから解放されたくて売却することは最悪です。
対策として、筆者がリーマンショック時に行ったことは、以下の3点です。
① 積み立て投資をやめた。現金を持つようにした。
どんどん下がる株価を見ながら積み立てを行うのは困難です。
不安が増幅する状態だったので積み立てることをやめました。
② 資産の状態を見ることをやめた。
下がる株価につれ、資産額も下がっていきます。
これを見るたび不安になってしまうので、口座にログインすることをやめました。
③ 株価にまつわるニュースやブログ、SNSを見るのをやめた。
相場が下落基調になると、「まだ株を持っているの? すぐ売ってしまえ。」といった論調が増えます。
この雰囲気に反発して、株を持ち続けることは困難になります。
こういった情報から離れる生活習慣に切り替えて、もし本業を持っている方ならば労働に励みましょう。
株価が下がり続けることは無い
企業の業績が上昇すれば、これに期待する人が株を購入します。
株価が上昇すれば、資金繰りが良くなり、設備や人材に投資することが出来ます。
こうしたサイクルで、常に株価は上昇する力を受けています。
一時の不況や災害、疫病によって下がることがありますが、そのうち上昇することでしょう。
為替(ドル円レート)は、その時の米国と日本の相対的な関係、状況を反映します。
上がりもするし、下がりもする。
将来的や恒久的に「こうあるべき価格」は、存在しません。
まとめ
今回の米国株下落は日本から投資している場合、円安効果で損失を実感できていないのではないか。
米国株下落は2割程度であり、大きく下げた感があまり感じられない。
ドル円レートは、安くなる可能性もあるが、高くなる可能性もある。最悪の想定をしておくべき時期である。
株は下がったままにはなりません。いずれ上昇に転じます。長い時間をかけて徐々に回復するので、しばらく気にせず、ほったらかしにしておきましょう。