株価指数回復の今、製造業でおきている「不足」が深刻

半導体不足。電力不足。さらにアルミが不足で銅が高値圏。世界の製造業は四面楚歌状態です。
いま、マーケット下落のシグナルはたくさんある
いま、世界の製造業が「不足」でひっ迫しています。半導体が不足と叫ばれてしばらく経ちましたが、まだまだ解消には程遠く、回復まで2022年夏頃までかかる見込みだそうだ。
一方で英国、中国で発生した電力不足。原因はロシアが天然ガスを売ってくれなかったとか、CO2環境対策で石炭での発電を取りやめたからとか、オーストラリアから石炭の輸入をストップしたからとか言われています。
筆者の勤める会社の関連会社(中国にあります)の情報によると、およそ50ある近隣の工場のうち37が電力不足解消の名目で操業を停止している模様。当の関連会社も操業率は半分以下の状態だそうです。
関連会社がこの様な状態ゆえ、筆者自身も会社で半導体不足を直撃しています。すでに受注していた納期に合わせた部品調達が間に合わず、製造がストップし、お得意様への謝罪&納品延期のお願いで大忙しです。
現在、長期視点での調達の予定が立たず、目先の調達でしのぐ毎日でして、特急の代替品採用突貫設計を行っていたりします。気がかりは未来のための新規開発がストップ状態、お先真っ暗な状態で足元だけ照らして歩いています。
社内の見解では、最悪2022年度末(2023年3月)まで解消しないと言われています。「2022年夏解消」は、楽観側のシナリオですね。
樹脂不足、電線用コネクタが入手不可能
電気用のコネクタが入手困難になる情報が春先にあり、半年分にあたる6万個を確保していましたが、半年後の今、在庫がなくなりました(笑)。途中、追加調達を試みたものの、入手できなかったんですね。
コネクタは電線を連結する機能を持ちますが、この部分で接触不良などあると原因追及が面倒なため、品質の低いものは使っていませんでした。しかし、いまはそんなこと言ってられません。2流品だろうが3流品だろうが「無い」に比べれば天国です。世界中で電気コネクタの椅子取りゲーム状態です。
きっかけは、アメリカの寒波だったのですが、樹脂材料の供給が再開されてもなぜかコネクタ不足は解消されていません。どこかで買い占められているのでしょうか。
アルミ供給に危機が
会社の調達部門からアルミ不足が顕在化したとの報告があり、またまた冗談を…って思ったのも束の間、価格高騰&入手困難が発生済、実態はかなり深刻なようです。
アルミの生産は、中国が圧倒的シェアを持っています(リサイクルを除く)。そして、高強度なアルミ(超超ジュラルミン)には、マグネシウムが必要です。このマグネシウムも中国が高いシェアを持っています。
その中国での使用量が近年大幅に増えており、かつ、先の電力不足が追い打ちをかけたのが原因と言われています。実はアルミの製造過程で使われる電力は膨大であり、アルミ価格の多くは電気代と言われるほどです。
2021年5月の銅高騰、いまはどうなった?
2021年5月、銅の高騰で電線やモーターの値上げが一部業界で噂になりました。半導体不足も囁かれていて不安な日々を送っていたことが思い出されます。そして、まさか、こんなことになろうとは…って危機感なさ過ぎました。ハイ。
そして、いまハーネス(電線を所定の長さに切って端にコネクタを組み込んだもの)不足が囁かれています。おそらく、コネクタが不足しているんだな。たぶんそうだ。(現実逃避中)
さて、肝心の銅の価格ですが、調べてみると…全然下がってないじゃないですか。上がったまんまです。でも、いまのところ供給不足や大幅な値上げは聞いていません。日本の企業努力には頭が下がります。
※下記リンクの「<4>月平均銅ベース(銅建値)推移表」を参照してください。
備えあれば患いなし
何があってもおかしくないコロナ禍の世界で、都合の悪いことがあっても動揺せず、朗らかな生活を続けられるよう、いまの円安、指数高は「一時的」だと、上がれば下がることもあると、心に刻んでいる筆者でした。
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節約術や市場急落時にメンタルの支えになる情報を発信しています。|50代メーカー勤務、研究開発に従事中。|2004年に投資開始、個別株,信用取引⇒FX⇒リーマン遭遇⇒米国株ETF⇒現在S&P500投資信託eMAXIS Slimをほったらかしで運用中。
千葉県在住。
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