日本の金利が上がり、米国の利下げが検討されているのに円高にならない理由
現在の円安は、日本の金利が上がらず、米国の利上げが続いたからであって、金融緩和後は円高になるという話が通っておりました。しかし、円高になるどころか円安に振れてしまっています。そして、この現象を解説している専門家はたくさんいるのですが、皆さん言っていることがバラバラです。
そこで自分なりにあれこれ考えてみました。将来を予想し備えることで突発的な変化に対応できるようになるかな?と思ってやっています。それでは今後の可能性を整理してみます。
パターン① 円安が今後も続く場合
パターン② 円安が2,3か月続いた後、円高になる場合
パターン③ 日銀の牽制が利き、すぐに円高になる場合
そして、各々の対応は以下の通りになります。
パターン①の場合
日本の景気が好調を維持すると考え、日本への投資を一時的に増やす。
パターン②、③の場合
来るべき円高に備え、現状を維持。(日本への積立投資はしない)
円高にならない理由
円高にならない原因があるから、円高にならない(当たり前)わけですから原因を探ります。とはいえ、専門家でない私が的確に原因を当てることは出来ません。
よって、ストーリーを考えてみます。
過去の経緯を洗い出し
かねて(30~40年前)から為替レートは、日本と米国の政治的な駆け引きに翻弄されてきました。
主に米国からの圧力です。
米国内の産業を脅かすと恐れられていた1980年台に、為替レートは急激な円高に見舞われました。これにより輸出での儲けが減った国内産業が米国内へ移転しました。
経済基盤であったモノづくり(の一部)を失った日本国内の経済は崩壊し、30年の停滞を生みます。
1990年台はソ連の崩壊によって米国の(主に経済的)敵対国が日本とドイツになりました。
米国の圧力が続き、日本は生産拠点を海外に移し続け、日本の内需(市場)を関税撤廃で開放します。円高が放置され、安い海外製が跋扈してデフレが始まります。
一方の米国経済は復活しバブルを引き起こすまでに成長しました。2000年以降は日本を恐れる必要がなくなりました。
2000年台、中国が目覚しい発展を始めます。米国はこの新しい市場を草刈り場とすべく支援し続けます。しかし、2010年台半ばに中国を脅威と見なして敵対し始めます。
筆者が想像する今後の世界
ここから先は筆者の妄想が多分に含まれます。
今起きているウクライナーロシア戦争、イスラエルーハマス(イラン)紛争に加え、中国ー台湾間、韓国ー北朝鮮間で戦争が起きれば、米国は四面の対応を迫られます。中国と北朝鮮は、「今がチャンス」と思っていても不思議ではありません。
米国は、中国と北朝鮮に対して(戦争抑止のため)対話と牽制をします。飴とムチですね。そしてこのリスクに対し「各国が自身の軍事力で対応せよ」(具体的には、バランスが取れる位まで軍事力を高めよ)と考えることは自然だと思います。
日本が自国の軍事力で対応できるようになるには、日本の財政を豊かにし防衛費を上げることと考えれば、円安が続いて景気を維持できることは好都合です。米国は円安を容認し、日本が発展することを寛容しているのではないでしょうか。
アメリカー中国間では関税の掛け合いを行っており、日本は漁夫の利を得ています。日本の(主に食料品の)関税が撤廃、もしくは緩和が起き始めるとなれば、それが物価の安定に寄与し、円安が今後も続くシグナルになるのかなと考えています。
円安に軸足を移す
筆者は、日本の利上げ、米国の利下げで円高に振れるだろうと予想していました。しかし、直近そのような動きがみられないことから、円安は続くのではないかと思う方に少しだけ傾いています。
よって、日本株を短期投資目的で買っても良いかなと思っています。
日本株はすでに高いところまで来ているようで、これから飛び乗るには怖さがあります。ですが思い切って踏み出してみようかと考えています。