SP500とオルカン 良いのはどっち?

2022/07/31

長期投資を目指していて、気になることの一つに「米国株に投資する」か、「オールカントリー(通称オルカン)に投資する」か気持ちが揺れ動くことです。

筆者は、米国株S&P500に連動する投資信託を毎月積立しておりますが、オルカンへの乗り換えを検討したことも一度や二度ではありません。

ではなぜ、米国株S&P500を選んだのか?といったところを少し書き記してみました。

皆さまのご参考になれば幸いです。





連動する指数は

投資の対象は、インデックスに連動する投資信託とします。

そして、連動するインデックス(指数)は何かという事を明確にします。

米国株(S&P500)の指数

筆者が積立投資しているものは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」でして、S&P500の指数に連動しています。

S&P500指数
ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社を選出し、その銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数である。

wikipedia

いわずとしれた米国の業績の良い企業500社を平均した指数です。

業績が悪くなると、良い業績を上げている企業と入れ替えを行います

その頻度は、年4回行われます

オールカントリーの指数

オールカントリーとは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のことです。

連動元は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。

日本株式のインデックスである日経平均株価や、米国株式のインデックスであるNYダウなどは目にされたことがある方もいるかと思いますが、その世界株式版ということになります。次の表をご覧ください。MSCI ACWIは先進国23カ国、新興国24カ国の合計47カ国が対象(2022年3月9日時点)となっています。

LINE投資部

本家MSCIを見ると2022年3月9日付でロシアが指数から抜けて、先進23か国、新興国24か国となっています。

参照:MSCI ACWI Index market allocation

4半期ごと、2、5、8,11月に銘柄入れ替えを行っています。(出所:MSCI指数ハンドブック 10ページ)





投資先の比率

米国株(S&P500)の投資先

米国企業の大型株中心の500社です。

企業の時価総額や騰落率を直接的に表現してくれるサイトが、finviz(フィンビズ)です。

一目でわかりますね。

S&P500の騰落(2022/7/30付)

※当落率表示の期間を3か月、半年、1年と変えることもできます。

オールカントリーの投資先

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の目論見書をみますと、投資先は、以下のようになっています。

米国 61.4%、日本5.4%、先進国その他21か国 22.1%、中国・台湾 5.1%、新興国その他22か国 6%です。


通貨別の分布は以下の通りです。

米国61.7%、日本6.2%香港ドル2.9%ニュー台湾ドル1.6%あたりが気になります。





直近の運用成績

目論見書から引用しました。

運用期間は2018年の7月と10月からであり、ほぼ同じ期間です。

項目米国株全世界株
投資倍率1.88倍1.65倍
純資産総額1.16兆円4979億円

2つのグラフ波形を見比べても、動き方に大きな違いは見られません。

オールカントリーにおいても、6割を超える米国株の比率が利いているのでしょう。

米国株(S&P500)の成績

オールカントリーの成績





なぜ米国株式を選ぶのか?

簡潔にまとめますと、以下の理由です。

  • ずいぶん前から日本株(ETF)を所有していて、すでに日本の比率が高いため。
  • オルカン投資先の情報が得にくい。
  • 筆者自身が中国のリターンに懐疑的なため。

では、一つづつ見ていきます。

日本株はもう要らない

すでに投資金額比率で15%を超える日本株を所有しています

当面は、このまま日本株へ投資せずとも十分だと考えています。

つまり、オールカントリーに含んでいる日本への投資が筆者にとって要らないのです。


もう一つ、日本に住んでいるため、日本のことは実生活で良く分かります。

日本への投資は、あれこれ調べ、投信でなく個別株で一喜一憂するのも良いのかな?と考えています。

個別株なら株主優待もありますし。


英語の決算書を読むのは大変ですが、日本語なら楽ちんです。

投資先情報は得られるの?

先進国では当たり前に規制されていることが、新興国ではそうでないことも多く、守られない、いきなりのルール変更などが発生します。

昨今のロシアを見るに、中国中東独裁国家においてはリスクが高まっているといってよいでしょう。


米国日本の情報は潤沢に得られますが、中国中東の市場はどうなっているかがよくわかりません

欧州でさえも、戦争による混乱で先行きの不透明感が増しています


将来、これらの懸案がクリアになり、「憂いなしに投資することが可能になる」とは言い難いです。


ことリターンに対しては、伸びしろのある新興国に期待することは大いに理解できます。

ただし、期待できそうなのはインド、中国、台湾くらいで、中東においては環境対応で石油や天然ガスの伸びしろは小さいのではないかと思えます。


筆者は、新興国の経済発展に期待しておりましたが、昨今のグローバル化の逆回転で懐疑的な考えに至りました。

インドや東南アジアが急成長する時期は随分と先になったと考えています。

お金がなければ発展しませんし。

中国は成熟期に至っている

「日本に対して中国は30年後を追ってきている」と筆者は考えるようにしています。

日本が経済成長した1970~80年台は、中国において2000~10年台に当たるでしょう。

日本が停滞した1990年台は、中国では2020年台に当たります。


それでも、日本では1990年台の前半までは楽観的でした。

中国でも、2020年台の前半までは楽観的でしょう。


さて、この予想当たるでしょうか?


1998年には日本のいくつかの銀行が破綻をきたし、国有化などされました。

中国でも不動産会社の破綻の恐れなど、ちらほら出てきています。


個人的な考えでは中国への投資は慎重にならざるを得ません。


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