日本の物価の推移をグラフにしてみる
今回は、11月22日に公表がありました「2024年10月分」の消費者物価指数までのデーターを使って1971年からの日本の物価をグラフ化しています。物価の推移を確認するのにお役立てください。
総合指数・前年同月比の推移
総務省統計局のデーターを使ってグラフ化しています。
前年同月比とは、前の年の同じ月と比較して比率を計算したものです。
つまり、1年でどのくらい物価は上がったのか?を表しています。
2022年からの推移を表しました。
「総合」とは、天候による価格変動が大きい生鮮食品と海外の環境に影響されやすいエネルギー価格を含めた全般の物価値を示します。
以下のグラフは1年単位のものです。
近年の物価上昇は、消費税アップ以外では30年ぶりのこと。
2024年は10月までの平均値です。
直近の消費者物価指数
11月22日に
「2024年10月分」の公表がありました。
日本の消費者物価指数とは
- 衣料や食料品など582品目の
価格の変化を指数化。 - 年2%上昇が適正とされる。
参照:日銀の物価安定目標 - 2%を超えるとインフレ、下回るとデフレ
と呼ばれます。
日銀の金融政策
日銀は、
「安定した2%超のインフレ継続」
を目標としています。
参照:金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について(PDF)
直近の消費者物価指数
項目 | 前回値 | 予想値 | 結果 |
---|---|---|---|
総合指数 | 2.5% | 2.3% | |
コア指数(生鮮食品を除く指数) | 2.4% | 2.2% | 2.3% |
コアコア指数(生鮮食品及びエネルギーを除く) | 2.1% | 2.3% |
以下が参照元です。
2024年(令和6年)10月分 総務省公表
筆者は「指数の水準」、「前回値との変化」、「事前予想値との乖離」の3点について見ています。
- 目標である2%は超えている状態。
- 総合は前回から0.2%低下。
- コア指数は前回から0.1%低下。
- コアコア指数が、前回から0.2%の上昇。
物価上昇の内訳
2024年10月における前年同月比で物価上昇が大きかった品目をピックアップします。
中分類 | 中分類の上昇率 | 代表的品目 | 品目の上昇率 |
---|---|---|---|
穀物 | 13.5% | うるち米 | 60.3% |
電気代 | 4.0% | ||
教養娯楽サービス | 5.5% | 外国パック旅行 | 75.6% |
家庭用耐久財 | 6.0% | ルームエアコン | 15.2% |
飲料 | 6.1% | 果実ジュース | 29.8% |
菓子類 | 5.0% | チョコレート | 19.3% |
うるち米、チョコレート、果実ジュースの大幅に値上がりは毎月の恒例となっています。継続的に上昇している状況です。とても堪えます。輸入に頼っている品目がとくに上がっている様子です。
電気代の上昇も継続的ですが、大きな値上げにはなっていない様子。今後落ち着いた動きになるか注目です。ガソリン(-0.4%)、灯油(-1.1%)は下落していました。
季節商品のルームエアコンが上昇しています。外国パック旅行の上昇は円安の影響が大きいと思われます。
みかんの値上がりが大きいです。夏の猛暑で収穫時期が遅れていることが要因とされています。
宿泊料はすでにコロナ前よりも高騰しているように感じます。円安による外国人観光客の増加の影響が大きいように感じます。
2023年(1年間の平均)の内訳
1年前はどうだったでしょうか。2023年の1年の間、物価を押し上げた品目をピックアップします。
中分類 | 中分類上昇率 | 代表的品目 | 品目上昇率 |
---|---|---|---|
家事用消耗品 | 11.7% | 洗濯用洗剤 | 13.1% |
通信 | 6.2% | 携帯電話機 | 9.8% |
教養娯楽サービス | 4.1% | 宿泊料 | 17.3% |
教養娯楽用品 | 6.0% | ペットフード | 20.3% |
洗濯用洗剤の値上げは、原材料高と円安のダブルパンチがその理由です。界面活性剤の原料の多くが輸入に頼っていますので。
携帯電話機はシェア率5割の iPhone大幅値上げ(円安)が利いているのでしょう。2024年は、1円携帯が終了となっているため、引き続き携帯電話機の価格上昇は続くと思われます。
宿泊料はコロナ禍で2022年が安すぎた反動。補助金効果も影響を大きくしています。
ペットフードは輸入品の占める割合が4割、円安の影響、原材料(小麦)の高騰、需要の高止まりで値上げが止まりません。
生鮮食品を除く総合・前年同月比の推移
総合から変動の大きい「生鮮食品」を除いた指数です。
年単位でグラフ化しました。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合・前年同月比の推移
変動の大きい「生鮮食品」と「エネルギー」を除いた指数です。変動の少ない長期的な物価の先行きを示していると言えるでしょうか。直近は再び上昇に転じています。
6月に2%を維持するような動きに転じました。デフレ脱却が確実視され、金利上昇となるのでしょうか?
年単位でグラフ化しました。2024年は10月までの平均値です。
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