日本の物価の推移をグラフにしてみる
今回は、7月18日に公表がありました「2025年6月分」の消費者物価指数までのデーターを使って1971年からの日本の物価をグラフ化しています。物価の推移を確認するのにお役立てください。
総合指数・前年同月比の推移
総務省統計局のデーターを使ってグラフ化しています。
前年同月比とは、「ちょうど1年前の同じ月との比率」です。
つまり、1年間でどのくらい物価は上がったのか?を表しています。
2022年からの推移を表しました。
「総合指数」とは、天候による価格変動が大きい「生鮮食品」や海外の環境に影響されやすい「エネルギー価格」を含めた全般の物価値を示します。

次のグラフは1年ごとにまとめたものです。
直近3年余りの物価上昇は、消費税アップ以外では30年ぶりのこと。
2025年は6月までの平均値です。

直近の消費者物価指数
7月18日に
「2025年6月分」の公表がありました。
日本の消費者物価指数とは
- 衣料や食料品など582品目の
価格の変化を指数化。 - 年2%上昇が適正とされる。
参照:日銀の物価安定目標 - 2%を超えるとインフレ、下回るとデフレ
と呼ばれます。
日銀の金融政策
日銀は、
「安定した2%超のインフレ継続」
を目標としています。
参照:金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について(PDF)
物やサービスの値段は1年間で2%程度上がるのが良いとされていることが大事な点です。
直近の消費者物価指数
| 項目 | 前回値 | 予想値 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 総合指数 | 3.5% | 3.3% | 3.3% |
| コア指数(生鮮食品を除く指数) | 3.7% | 3.4% | 3.3% |
| コアコア指数(生鮮食品及びエネルギーを除く) | 3.3% | 3.4% |
以下が参照元です。
2025年(令和7年)6月分 総務省公表
筆者は「指数の水準」、「前回値との変化」、「事前予想値との乖離」の3点について見ています。
今回の結果は、
- 目標である2%は超えている状態。
- 総合は前回から0.2%下落。
- コア指数は前回から0.4%下落。
- コアコア指数は前回から0.1%上昇。
- 総合、コア指数は予想値とほぼ同じ。
物価上昇の内訳
2025年6月における前年同月比で物価上昇が大きかった品目をピックアップします。
| 中分類 | 中分類の上昇率 | 代表的品目 | 品目の上昇率 |
|---|---|---|---|
| 穀物 | 29.0% | うるち米 | 99.2% |
| 調理食品 | 6.9% | おにぎり | 19.1% |
| 菓子類 | 9.0% | チョコレート | 39.2% |
| 外食 | 4.5% | すし(外食) | 6.5% |
| 飲料 | 8.7% | コーヒー豆 | 40.2% |
| 設備修繕・維持 | 4.8% | 火災・地震保険料 | 7.0% |
| 電気代 | 5.5% | ||
| 教養娯楽サービス | 2.1% | 宿泊料 | 6.5% |
| 教養娯楽用品 | 1.5% | ペットフード(キャットフード) | 30.6% |
| 自動車等関連費 | 3.1% | 自動車保険料(任意) | 4.1% |
| 通信 | 5.9% | 携帯電話通信料 | 11.9% |
うるち米、チョコレート、コーヒー豆の大幅な値上がりは毎月の恒例となっています。上昇幅が維持されている状況で、とても堪えます。
電気代の上昇も継続的でありますが、上がる勢いは収まりました。
家屋や自動車の保険料が上昇している点が少し気になります。
宿泊料はすでにコロナ前よりも高騰しているように感じます。円安による外国人観光客の増加の影響が大きいように感じます。
年間の平均の消費者物価指数
昨年(2024年)の1年間ではどうだったでしょうか。年間平均と物価を押し上げた品目をピックアップします。
年平均値の推移
2022年からの推移です。
| 項目 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
| 総合指数 | 2.5% | 3.2% | 2.7% |
| コア指数(生鮮食品を除く指数) | 2.3% | 3.1% | 2.5% |
| コアコア指数(生鮮食品及びエネルギーを除く) | 1.1% | 4.0% | 2.4% |
昨年(2024年)物価を押し上げた主な品目
| 中分類 | 中分類上昇率 | 代表的品目 | 品目上昇率 |
|---|---|---|---|
| 生鮮食品 | 10.2% | たまねぎ | 24.2% |
| 穀物 | 8.5% | うるち米 (コシヒカリを除く) | 28.8% |
| 菓子類 | 6.0% | チョコレート | 12.2% |
| 生鮮果物 | 11.4% | りんご | 18.5% |
| 飲料 | 4.7% | 果実ジュース | 29.3% |
| 電気代 | 7.3% | ||
| 教養娯楽サービス | 6.9% | 外国パック旅行費 | 68.9% |
生鮮食品、生鮮果物の値上げで「たまねぎ」と「りんご」が上昇していたのは年の前半でした。今は落ち着いており、生鮮品は値動きが激しいことを裏付けています。
電気代は補助金が切れるたびに上昇して家計を圧迫し続けました。原油価格は1年を通して安定していたのでガソリンや灯油の価格変動は少なかったです。
外国パック旅行はコロナ禍を脱した後の急騰が反映されているのでしょう。円安もこれに追い打ちをかけています。
うるち米の値上がりは、昨年中ごろから年末にかけて大きな話題になりました。しかし今後は対策も講じられ安定すると思われます。
生鮮食品を除く総合・前年同月比の推移
総合から変動の大きい「生鮮食品」を除いた指数です。

年単位でグラフ化しました。2025年は6月までの平均値です。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合・前年同月比の推移
変動の大きい「生鮮食品」と「エネルギー」を除いた指数です。変動の少ない長期的な物価の先行きを示していると言えるでしょうか。直近は再び上昇に転じています。

2%以上を維持するような動きになっています。
デフレ脱却が確実視されていますが、金利はまだ低いままです。
年単位でグラフ化しました。2025年は6月までの平均値です。

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