日本の物価の推移をグラフにしてみる
今回は、2月21日に公表がありました「2025年1月分」の消費者物価指数までのデーターを使って1971年からの日本の物価をグラフ化しています。物価の推移を確認するのにお役立てください。
総合指数・前年同月比の推移
総務省統計局のデーターを使ってグラフ化しています。
前年同月比とは、「ちょうど1年前の同じ月との比率」です。
つまり、1年間でどのくらい物価は上がったのか?を表しています。
2022年からの推移を表しました。
「総合指数」とは、天候による価格変動が大きい「生鮮食品」や海外の環境に影響されやすい「エネルギー価格」を含めた全般の物価値を示します。

次のグラフは1年ごとにまとめたものです。
直近3年余りの物価上昇は、消費税アップ以外では30年ぶりのこと。
2025年は1月までの平均値です。

直近の消費者物価指数
2月21日に
「2025年1月分」の公表がありました。
日本の消費者物価指数とは
- 衣料や食料品など582品目の
価格の変化を指数化。 - 年2%上昇が適正とされる。
参照:日銀の物価安定目標 - 2%を超えるとインフレ、下回るとデフレ
と呼ばれます。
日銀の金融政策
日銀は、
「安定した2%超のインフレ継続」
を目標としています。
参照:金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について(PDF)
物やサービスの値段は1年間で2%程度上がるのが良いとされていることが大事な点です。
直近の消費者物価指数
項目 | 前回値 | 予想値 | 結果 |
---|---|---|---|
総合指数 | 3.6% | 4.0% | 4.0% |
コア指数(生鮮食品を除く指数) | 3.0% | 3.1% | 3.2% |
コアコア指数(生鮮食品及びエネルギーを除く) | 2.4% | 2.5% |
以下が参照元です。
2025年(令和7年)1月分 総務省公表
筆者は「指数の水準」、「前回値との変化」、「事前予想値との乖離」の3点について見ています。
今回の結果は、
- 目標である2%は超えている状態。
- 総合は前回から0.4%上昇。
- コア指数は前回から0.2%上昇。
- コアコア指数は前回から0.1%上昇。
- コア指数は予想値よりも上振れしている。
物価上昇の内訳
2025年1月における前年同月比で物価上昇が大きかった品目をピックアップします。
中分類 | 中分類の上昇率 | 代表的品目 | 品目の上昇率 |
---|---|---|---|
生鮮食品 | 36.0% | キャベツ | 192.5% |
穀物 | 18.4% | うるち米 | 71.8% |
生鮮果物 | 22.7% | みかん | 37.0% |
電気代 | 18.0% | ||
ガス代 | 6.8% | 都市ガス代 | 9.6% |
教養娯楽サービス | 2.2% | 宿泊料 | 6.8% |
自動車等関連費 | 3.1% | ガソリン | 3.9% |
飲料 | 7.6% | コーヒー豆 | 23.7% |
菓子類 | 6.8% | チョコレート | 30.8% |
うるち米、チョコレート、みかんの大幅な値上がりは毎月の恒例となっています。継続的に上昇している状況で、とても堪えます。
電気代の上昇も継続的でありますが、上がる勢いは収まりました。一方、ガソリン(3.9%)、灯油(6.3%)が大幅に上昇しています。
生鮮食品の上昇率が高いですが、季節要因のため、そのうち落ち着くと思われます。とはいえ、「キャベツの価格が3倍」は異常な価格ですね。
みかんの値上がりは夏の猛暑で収穫時期が遅れていることが要因とされています。
宿泊料はすでにコロナ前よりも高騰しているように感じます。円安による外国人観光客の増加の影響が大きいように感じます。
年間の平均の消費者物価指数
昨年(2024年)の1年間ではどうだったでしょうか。年間平均と物価を押し上げた品目をピックアップします。
年平均値の推移
2022年からの推移です。
項目 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|
総合指数 | 2.5% | 3.2% | 2.7% |
コア指数(生鮮食品を除く指数) | 2.3% | 3.1% | 2.5% |
コアコア指数(生鮮食品及びエネルギーを除く) | 1.1% | 4.0% | 2.4% |
昨年(2024年)物価を押し上げた主な品目
中分類 | 中分類上昇率 | 代表的品目 | 品目上昇率 |
---|---|---|---|
生鮮食品 | 10.2% | たまねぎ | 24.2% |
穀物 | 8.5% | うるち米 (コシヒカリを除く) | 28.8% |
菓子類 | 6.0% | チョコレート | 12.2% |
生鮮果物 | 11.4% | りんご | 18.5% |
飲料 | 4.7% | 果実ジュース | 29.3% |
電気代 | 7.3% | ||
教養娯楽サービス | 6.9% | 外国パック旅行費 | 68.9% |
生鮮食品、生鮮果物の値上げで「たまねぎ」と「りんご」が上昇していたのは年の前半でした。今は落ち着いており、生鮮品は値動きが激しいことを裏付けています。一方、今は「キャベツ」や「みかん」が高騰していますね。
電気代は補助金が切れるたびに上昇して家計を圧迫し続けました。原油価格は1年を通して安定していたのでガソリンや灯油の価格変動は少なかったです。
外国パック旅行はコロナ禍を脱した後の急騰が反映されているのでしょう。円安もこれに追い打ちをかけています。
うるち米の値上がりは、昨年中ごろから年末にかけて大きな話題になりました。しかし今後は対策も講じられ安定(下がるとは言っていない)すると思われます。
生鮮食品を除く総合・前年同月比の推移
総合から変動の大きい「生鮮食品」を除いた指数です。

年単位でグラフ化しました。2025年は1月までの平均値です。

生鮮食品及びエネルギーを除く総合・前年同月比の推移
変動の大きい「生鮮食品」と「エネルギー」を除いた指数です。変動の少ない長期的な物価の先行きを示していると言えるでしょうか。直近は再び上昇に転じています。

6月に2%を維持するような動きに転じました。デフレ脱却が確実視され、金利上昇となるのでしょうか?
年単位でグラフ化しました。2025年は1月までの平均値です。

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