選んではいけない投資信託とは
投資先に今一つ自信が持てない方に「選んではいけない」投資信託とは何かまとめました。これを読むと投資信託の選択肢が減り、納得をもって投資を始められます。腑に落ちた選択は、自身に繋がり、投資を続けるためには絶対に必要な要素です。
選ぶべき投資信託を探す
筆者の考える「選ぶべき投資信託とは」以下の条件を満たすものです。ひとつでも満たさないものは「選んではいけないもの」としています。
条件1 信託報酬(1年間の手数料)が0.2%以下
条件2 購入手数料が0円である
条件3 売却時ににかかる費用が0円である
条件4 投資先が株式である
条件5 純資産総額が50億円以上である
選ぶべき投資信託をSBI証券で検索する方法
SBI証券の画面で上記の5条件を満たすものを検索する方法です。
①「投信」のタグを選択し、
「銘柄選択・取扱一覧」を選択します。
②ファンド分類で「国内株式」と「国際株式」に
チェックを入れます。
これで、株式への投資に絞ることが出来ます。
③「手数料等費用」のタグを選択します。
④「信託報酬」の並び替えを昇順にします。
これで、年間手数料が安い順に並び変わります。
⑤下の方にスクロールして「純資産」を
50億円以上に切り替えます。
ここまで操作した後、この表の中から条件に
合ったものを選びます。
「信託報酬」が 0.2%以下
「買付手数料」の欄が「なし」
「信託財産保留額」が 0%
手数料が安いことを最も優先する
買付、売却時の手数料無料も重要ですが、さらに重要なのは年間手数料に相当する「信託報酬」が十分に低いことです。たとえば、100万円投資して年5%上昇すると105万円になりますが、信託報酬(年間手数料)が0.1%と1%の実利益を比較すると 9,000円の差となります。これは、ちょっとしたものを購入できる額ではないでしょうか。
投資信託 | 5%上昇した時の利益 | 信託報酬額 |
---|---|---|
0.1% | 50,000円 | 1,000円 |
1.0% | 50,000円 | 10,000円 |
最近、信託報酬の値下げ競争が進みました。しかし、中にはまだ高いものが多いのが実情です。銀行や証券会社の窓口でお勧めされるのは、この信託報酬の高い商品になりがちです。投資先が同じなら信託報酬が安い方を選ぶのが得策です。
なぜ投資対象は株式がよいのか
債券や金は、情勢をみて短期(数か月~数年)で投資する分には良いと思います。ですが、長期(15年以上)持ち続けるのであれば、株式一択といえます。なぜなら、長期による時間分散の効果で、株式のリスクはゼロに近くなり、債券や金よりも大きなリターンが期待できるからです。
以下のグラフは、長期間における価格の推移を表したものになります。
株式は時折、大きく下落することがありますが、15年という長期では大きなリターンを実現しています。
なぜ純資産総額は50億円以上がよいのか
純資産総額とは、その投資信託に投資されているお金の総額のことです。この額が大きければ人気の投資信託と言えます。実のところ、人気のない投資信託は償還と呼ばれる強制的な売却と返金が行われる恐れがあります。返金はされますが、その他、良いことは何も有りません。
15年以上の長期投資をするのであれば、小さい純資産総額な投資信託は避けましょう。もっとも、純資産総額が大きければ儲けが増えるとかは関係ありません。
条件をクリアした投資信託は
北米に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
ニッセイ・S米国株式500インデックスファンド | 0.05775% |
たわらノーロード S&P500 | 0.09372% |
はじめてのNISA・米国株式インデックス(S&P500) | 0.09372% |
eMAXIS Slim 全米株式 | 0.09372% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.09380% |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.09380% |
iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド | 0.09380% |
先進国(主に北米、欧州、日本)に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
SBI・先進国株式インデックス・ファンド | 0.09820% |
たわらノーロード 先進国株式 | 0.09889% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.09889% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% |
全世界に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 0.05775% |
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) | 0.05775% |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド (雪だるま) | 0.11020% |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.11330% |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 0.13380% |
日本に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型) | 0.09900% |
Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型) | 0.10725% |
SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド | 0.11330% |
One-たわらノーロード 日経225 | 0.14300% |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.14300% |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.14300% |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.14300% |
はじめてのNISA・日本株式インデックス(日経225) | 0.14300% |
新興国に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.15180% |
SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 0.17600% |
SBI-EXE-i新興国株式ファンド | 0.17610% |
たわらノーロード 新興国株式 | 0.18590% |
新興国は、主に中国、インド、台湾、韓国、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコとなります。
新しい投資信託が発売されたらどうするか
手数料の安い新しい投資信託が次から次へと売り出されて、0.2%以下の信託報酬は当たり前になりつつあります。その結果、5年前には優良な投資信託だったものが、現在では選択肢に入らないといったことが発生しています。
安い投資信託が出てきたとき、一旦売却して新しいのを買いなおした方が得になるかどうかは、ケースバイケースですが、そのまま持ち続けた方が良いことが多いです。新たに追加投資する分をより安い方の投資信託に変更しましょう。
条件をクリアすれば儲かるのか
上記の5つの条件をクリアした投資信託なら儲かるのか?と聞かれたら、「必ずしも儲かりません」と答えます。手数料を安くし、株式を選択し、償還の可能性を下げることで、儲かり易くなっているのは事実です。ですが、実際に儲かるかどうかは誰もわかりません。
かつて1980年代は日本が絶好調であり、2000年代は新興国が絶好調で、2010年代は北米が好調でした。2020年代は、どの地域が好調になるのでしょうか?直近まで北米株式の投資信託が大人気でしたが、この先は誰もわかりません。
どの地域が良いかわからないなら「全世界」に分散投資するという発想があります。競馬や競輪で「全部買い」すると100%損しますが、株式なら「全部買い」でも儲かる可能性があります。理由は、掛け金総額よりも払い戻し総額のほうが多いことがあるからです。
未来の世界経済が今よりも大きくなると信じられるなら、全世界株式は良い選択だと思います。