選んではいけない投資信託

どれに投資しようか悩んでいる人向けに「これを選んではいけません」という投資信託をまとめました。
これを読んで頂くと、大幅に選択肢が減って、納得を得ながら投資を始められます。
腑に落ちた選択は、投資を長期に続けるには必須ですよ。
※2023/9/8 eMAXIS Slimシリーズ信託報酬の値下げを反映しました。
選ぶべき投資信託を探す
筆者は、選ぶべき投資信託として以下の5点を条件にしています。
つまり、この条件を満たさないものは選んではいけないものとなります。
条件1 信託報酬(年間手数料)が0.2%以下
条件2 購入手数料が0円(無料)
条件3 売却時ににかかる費用が0円(無料)
条件4 投資先が株式になっているもの
条件5 純資産総額が50億円以上
順に理由を説明しますので最後までお付き合いください。
SBI証券で検索する方法
SBI証券の画面で上記の5条件を満たすものを検索する方法です。


①「投信」のタグを選択します。
②ファンド分類で「国内株式」と「国際株式」にチェックを入れます。
これで、株式への投資に絞ることが出来ます。(条件4)
③「手数料等費用」のタグを選択します。
④「信託報酬」の並び替えを昇順にします。
これで、年間手数料が安い順に並び変わります。
⑤下の方にスクロールして「純資産」を50億円以上に切り替えます。(条件5)
ここまで操作した後、この中から条件に合ったものを選びます。
条件1
「信託報酬」が、0.2%以下になっている。
条件2
「買付手数料」の欄が「なし」になっている。
条件3
「信託財産保留額」が0%になっている。
手数料が安いことを最優先する
買付、売却時の手数料0円も重要ですが、さらに重要なのは年間手数料に相当する「信託報酬」が十分に低いことです。
たとえば、100万円投資して年5%上昇すると105万円になりますが、信託報酬(年間手数料)が0.1%と1%だとすると実利益は、104万9千円と104万円となります。
投資信託 | 5%上昇した時の利益 | 信託報酬額 |
---|---|---|
0.1%のもの | 5万円 | およそ千円 |
1.0%のもの | 5万円 | およそ1万円 |
9千円は、ちょっとしたものを購入できる額ではないでしょうか。
最近、信託報酬の値下げ競争が進み、これはとてもうれしいことなのですが、中にはまだ高いものが多いのが実情です。
銀行や証券会社でお勧めされるのは、この信託報酬の高い商品になります。判断の一助になれば幸いです。
投資先が同じなら信託報酬が安い方を選ぶと良いでしょう。
投資対象はなぜ株式がよいのか
債券や金は、情勢をみて短期(数か月~数年)で投資する分には良いと思います。
ですが、長期(15年以上)持ち続けるのであれば、株式一択でしょう。
長期による時間分散の効果で、株式のリスクはゼロに近くなり、債券や金とは比べ物にならないほどの大きなリターンが期待できるからです。
以下のグラフは、長期間における価格の推移を表したものになります。
株式は時折、大きく下落することがありますが、15年という長期では上昇に転じて乗り越えてきました。
純資産総額はなぜ50億円以上が必要なのか
純資産総額とは、その投資信託に投資されたお金の総額のことです。
この額が大きければ人気の投資信託と言えます。
人気のない投資信託は、償還と呼ばれる強制的売却が行われる恐れがあります。
株価低迷時に償還されると損失が確定するといった不利な状況になる可能性が高いです。
15年以上の長期投資をするのであれば、小さな純資産総額は避けましょう。
短期で売却するのであれば、純資産総額を気にする必要はないと思います。
ちなみに純資産総額の大きさと儲かるかどうかは無関係です。
条件をクリアした投資信託一覧表
北米に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.09380% |
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.09380% |
iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド | 0.09380% |
先進国(主に北米、欧州、日本)に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
たわらノーロード 先進国株式 | 0.09889% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.09889% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% |
SBI・先進国株式インデックス・ファンド | 0.10170% |
全世界(日本を除く物あり)に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 0.05775% |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 0.05775% |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド (雪だるま) | 0.1102% |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.1133% |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1338% |
日本に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
たわらノーロード 日経225 | 0.1430% |
ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1430% |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1430% |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.1430% |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1430% |
iFree TOPIXインデックス | 0.1540% |
iFree 日経225インデックス | 0.1540% |
東京海上セレクション・日本株TOPIX | 0.1540% |
My SMT 日経225インデックス(ノーロード) | 0.1540% |
Smart-i TOPIXインデックス | 0.1540% |
新興国に投資する投資信託一覧表
投資信託名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.1518% |
SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 0.1760% |
たわらノーロード 新興国株式 | 0.1859% |
新興国は、主に中国、台湾、韓国、インド、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコとなります。
新しい投資信託が発売されたらどうするか
毎年、手数料の安い新しい投資信託が売り出されています。
いまや、0.2%以下の信託報酬は当たり前になりつつあります。
結果、5年前には優良な投資信託だったものが、現在では選択肢に入らないといったことが発生しています。
安い投資信託が出てきたとき、前のを売却して新しいのを買った方が得になるかどうかは、ケースバイケースです。
ほとんどの場合、そのまま持ち続けた方が良いでしょう。
新たに追加投資する分を、より安い方の投資信託に変更しましょう。
条件をクリアすれば儲かるのか
上記の5つの条件をクリアした投資信託なら儲かるのか?と聞かれたら、「儲かりません」と答えます。
手数料を安くし、株式を選択し、償還の可能性を下げることで、儲かり易くなっているのは事実です。
ですが、実際に儲かるかどうかは誰もわかりません。
かつて日本が絶好調な時があり、2000年代は新興国が絶好調で、2010年代は北米が好調でした。
2020年代は、どの地域が好調になるのでしょうか?
直近まで北米が好調でしたので、北米株式の投資信託が人気でしたが、この先は誰もわかりません。
どの地域が良いかわからないなら「全世界」に投資するという発想があります。
競馬や競輪で「全部買い」すると100%損しますが、株式なら「全部買い」でも儲かる可能性があります。
理由は、掛け金よりも払い戻しのほうが増えている可能性があるからです。
未来の世界経済が今よりも大きくなると信じられるなら、全世界株式は良い選択だと思います。