エコキュートに交換したら昼に沸かす方が安くなった

2024/01/31

長らく電気温水器を使っていましたが、エコキュートに交換してみたら目から鱗の知らなかったことばかりで驚いています。

その中でも、昼に沸かした方が深夜に沸かすよりも安いと気づいたときは本当にびっくりしました。皆様の参考になれば嬉しいです。

冬は夜に沸かすより昼に沸かす方が安いことがある

昼に沸かした方がいい条件とは、

  • 太陽光発電があるとき
  • 昼と夜の電気料金が同じとき

「そんなこと知っている、当たり前だろう」と言っちゃそれまでなんですが、どの程度、お得になるのか調べてみました。

エコキュートの特性

エコキュートは、電熱線でお湯を作るのではなく、ヒートポンプを使ってお湯を作ります。ヒートポンプの特性は、使った電力よりも数倍の熱量を得ることが出来、電気温水器よりも電気代が安く済むことです。

さらに外気温が高い方が、より効率良くヒートポンプを使うことができます。つまり、夜より昼の方が短い時間でお湯が沸くのです。

電気料金プランの仕組み

電気料金は、昼が高くて夜は安いプランと、昼も夜も同じ料金になるプランがあります。

もし、昼と夜が同じ料金になるプランを使っているのならば、すぐに湯沸かしは昼に切り替えましょう。

そして、夜に安く、昼に高いプランの場合は、現時点では夜に沸かす選択でOKです。しかし今後、夜の電気料金と昼の電気料金の比が、0.85:1程度(15%の差)になった時には、(冬の場合)昼に沸かす方が良い選択となります。

現在の東京電力のプランは、料金の夜と昼の比は 0.75:1 くらいです。電力会社としては夜間も昼と同じく火力発電で賄っているので同じ料金にしたいはずです。今後、注視が必要です。





エコキュートの昼間と夜間での効率の違い

エコキュートに限ったことではありませんが、お湯をためておくと徐々に冷めて行きます。お風呂に湯を入れるのは夜になることが多いかと思いますが、深夜に沸かすと、朝~昼~夕を経てようやく使われることになります。冷めることを考慮して温度を高め(90℃)に沸かす必要が出てきます。

ちなみに筆者の家のエコキュートは朝80℃だったのが、夕方に70℃付近まで低下する日もあります。

昼に沸かして夕方に沸き上がるようにすると、冷める時間が少ないので比較的低い温度(65℃)で沸かしても足りることになります。こういったことを加味しながら、昼と夜のヒートポンプの効率を比較します。

性能評価の定格条件

ヒートポンプ本体の性能評価の定格条件と言うものがあり、以下の表の条件があります。本来、季節ごとの違いを表す数値ですが、強引に昼と夜の違いとして当て込んでみます。定格の給湯温度は65℃、「冬季高温」の給湯温度は90℃です。

給湯機のエネルギー消費効率(COP)

そして、肝心のヒートポンプの効率(COPと呼ぶ)を表したのが下表です。4.5kWのエネルギーを取り出すのに必要となる(消費)電力となります。冬季に水を高温まで焚き上げるには多くの電力が必要なことが分かります。

(匿名の)エコキュートのエネルギー消費効率表

昼と夜の消費効率の差

定格条件と消費効率の値を使って、無理やり昼間と夜間に沸かした時の違いをシミュレートしてみます。

シミュレートパターン「昼間」で使う値「夜間」で使う値
冬季(11月、3月)中間期の値冬季の値
厳冬期(12月、1月、2月)冬季の値冬季高温の値
夏季(7月、8月)夏季の値中間期の値

計算結果

冬季(11月、3月)における昼夜の比は4.92:4.09となり、夜に比べて昼は20%ほど効率が上がりました。

項目昼間の効率夜間の効率
加熱能力4.5kW4.5kW
消費電力0.915kW1.10kW
エネルギー消費効率4.924.09
効率の比1.201.00
外気温16℃7℃
沸上げ温度65℃65℃
給水温度17℃9℃

厳冬季(12月~2月)における昼夜の比は、沸上げ温度に差をつけて比較しています。タンク内の湯温は外気温20℃で1時間当たり0.5℃づつ下がっていくそうです。

効率の計算結果は、4.09対3.00 となり、夜に比べて昼は36%ほど効率が上がりました。

項目昼間の効率夜間の効率
加熱能力4.5kW4.5kW
消費電力1.1kW1.50kW
エネルギー消費効率4.093.00
効率の比1.361.00
外気温7℃7℃
沸上げ温度65℃90℃
給水温度9℃9℃

夏季(7~8月)における昼夜の比は5.33:4.92となり、夜に比べて昼は8%ほど効率が上がりました。冬季に比べてさほど効率の改善にならないようです。

項目昼間の効率夜間の効率
加熱能力4.5kW4.5kW
消費電力0.845kW0.915kW
エネルギー消費効率5.334.92
効率の比1.081.00
外気温25℃16℃
沸上げ温度65℃65℃
給水温度24℃17℃

考察

給湯器に使われるヒートポンプの性能特性として以下のことが言えそうです。

  • 焚上げ温度と外気温の差が大きいほど効率は悪化する。
  • 夏季においては、昼と夜の効率の差は少ない。
  • 冬季、厳冬期での昼と夜の効率の差は20%を超えてくる。

昼と夜とのヒートポンプの効率の差が20%の状態において、昼と夜との電気料金の差が20%を下回ってくると、昼に沸かした方が良くなる





太陽光発電を導入している場合

筆者の家にも太陽光パネルが付いています。正確には車庫の上ですが、5kW程度の小さい出力で運用しています。売電価格は19円/kWhです。

深夜電力が30円程度まで値上げされた今、売電するよりも給湯器で消費した方がお得なのは、火を見るより明らかです。昼に給湯器の沸上げを行うことは、お風呂を入れるまでの保温時間が短くなり、この点においても効率的です。ぜひとも日中の太陽光を使いたくなります。

問題は、雨が降ったらどうするか?

日中の太陽光の電力を期待して昨晩の沸上げを見送った場合、天候が悪化してしまうと昼間の高い電力で沸上げるしかなくなります。対策のために毎日、空模様を見ながら昼か夜か切り替えるのは大変です。

しかし、最近のエコキュートは明日の天気予報を見越して夜のうちに沸上げるか、翌日の太陽光で沸き上げるか、自動で判断して切り替える機能が付いているのです。最初に知った時はビックリしました。





まとめ

給湯機にエコキュートを使っている場合、

  • 昼と夜の電力料金の差が20%以下になるならば、冬期間は昼間に沸き上げる方が安くなる。
  • 太陽光発電設備があるならば、昼に沸き上げることを積極的に検討すべき。
  • 天気予報による沸き上げ時間(昼か夜か)の切り替え機能は、とても便利。
  • タンク内のお湯の温度は、1時間に0.5℃の速さで冷めていく(外気温20℃の時)
  • タンク内にお湯を沸き上げてから、お風呂を入れるまでの保温時間は短い方が効率的。


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Posted by fuminox