「何を買う」と株の銘柄を探していては勝てない
新NISAが始まって、じゃあ株をやろうと考えて、「何を買うか?」と思い立ち、検索して銘柄選びをしていては勝てません。相場の格言に「知っている人は言わず、言う人は知らない」とあります。選び方を他人に委ねている時点で「勝利」から離れつつあります。
なぜか?
勝負事で勝ちたいと思ったら、相手の裏を突くことが最も有効な策です。実際、株の相場は「生き馬の目を抜く」程の戦場と例えられ、株を生業とする人を勝負師と呼ぶこともあるくらいです。
そうなんです。株は勝ち負けの世界なんです。
戦い方を見ず知らずの他人から得て「知ったような気持ちになる」こと自体、「かもネギ」な行為と言っても過言ではありません。相手の手のひらで踊ることになるからですね。
なかでもより質の悪い輩は、セールス満載のセミナーや手数料の高いアクティブ投信に誘導しようとしています。誘い文句は「新NISAで数年やれば2倍や3倍もある」です。ここで気づくべきことは、数年で2倍や3倍があるなら同じ確率で半分や1/3もあるってことです。
では、どうすれば良いのか?
答えは、「選ばずに全部買う」です。100円あれば、「全部買い」を出来る仕組みがすでにあります。
これが、これから始める方におすすめできる株の買い方です。
株の銘柄の選び方を他人に委ねてはいけない
今の株の相場は、ものすごいスピードで売買が繰り返されており、かつてあった株価の不整合(割安)などを突いた「確実に儲ける方法」などは皆無となりました。そうでなくとも、確実に儲けられる方法があれば、それを誰にも語らずに黙々と儲けて行けばよいのですから、ネットや雑誌に書いてあるわけがないのです。
繰り返しますが「知っている人は言わず、言う人は知らない」のです。
「言う人」とは、「証券会社」や「銀行」のセールスマンであり、ネットで「この情報で、すぐに倍になる」と語っている人のことです。そして、皆優しそうな人達ですので気を付けましょう。
銘柄選びで結果を出せるまで時間がかかる
株の銘柄の選び方を自分で構築出来るようになるには、大きく損をする必要があります。破産する場合もあるかも知れません。またまた、冗談でしょと思うかもしれませんが、半分くらいは真実です。
株の相場は、
- 他人よりもたくさん勉強しなくては勝てない
- 他人を出し抜くために騙し合いがある
- 他人よりも真摯に打ち込まなくてはならない
と言った場所なんです。
今も語られている「株なんて博打と同じ」は、先の「かもネギ」な人にとっては博打と見分けが付かないからです。相場格言に「自分が何を所有しているかを知り、なぜそれを所有しているかを知る」と言うのがあります。
パチンコや競馬などの博打で勝っている人は、行動の一つ一つになぜそうしたのかを説明できるのだと思います。同様に、株で勝つには「なぜそれを所有しているのか」を自分の言葉で説明できる必要がありそうです。
銘柄を選ばず、全部買う
銘柄の選び方が一朝一夕で身に付かないのであれば、最後の手段「全部買う」を発動させましょう。競馬ですべての組み合わせを買えば必ず当たります。ですが、競馬の胴元が30%の掛け金を徴収するため、この方法で儲けることは不可能です。
しかし、ビックリなことに株の世界では「全部買い」は勝てるのです。この方法を広めたアメリカの投資家であるジョン・ボーグルの格言に「干し草の山の中から1本の針を見つけ出そうとするな。 干し草の山自体を買え」と言うのがあります。
「干し草の山」が株全部のことを指し「1本の針」が当たり株の事です。なぜ、競馬ではダメな方法が株で成立するのでしょう。
答えは、
- 競馬は70%しか払い戻しが無いので確率では負けが確定する。
- 株は全体で平均すると100%を超える払い戻しが発生するときがある。
そして、100%超え払い戻しの頻度は、
- 過去1年ごとに集計した結果、10年のうち 7年が100%を超える払い戻し
- その7年の内 3年は120%を超える払い戻し
となっています。
※年末に購入し翌年末での結果を調査、調査期間は1970~2023年です。
全部買いで効率が良いのは米国株
過去に上記の驚異的な払い戻しを実現したのは、日本株ではありません。米国株のS&P500に含まれる米国500社の「全部買い」での結果です。S&P500とは、日本でいうところの「日経平均株価」と同じものです。
2023年は 124.2%の払い戻しを成し遂げました。
一方、実は日本株も健闘しています。
- 100%以上の払い戻しは、10年中 6年
- その6年の内 2年が120%を超える払い戻し
ただし、好成績だった時期が1970~1989年に集中していて近年は不調です。2023年は120%越えの(久々の)当たり年になりました。
今後も期待できるのは米国株のS&P500です。日本株が全く期待できないことはありませんが、投資効率は落ちると思います。
3分で出来る「全部買い」の方法
「全部買い」は、S&P500の500社の株全部買うことです。まともに1社づつ買っていくと途方もない時間とお金が必要となるでしょう。それをたった3分で実現できる方法があります。
それは、S&P500に連動する投資信託を買うという方法です。しかも、日本円でたった100円から購入することが出来ます。中でも最も多く購入されているのが「eMaxisSlim米国株(S&P500)」という銘柄です。
すでに3兆円の資金が集まるほどの人気ぶりです。
おすすめできる購入方法は、ネット証券会社に口座を作成し、ネット経由で申し込むことです。ネット証券会社では人を介さず注文を受けているため、余計な勧誘や誘導がありませんし、人件費が安いためか売買時の手数料が無料のところが多いです。
この方法で買い注文を行う場合、本当に3分で手続きが完了します。しかも100円以上、1円単位で申し込めます。
売買手数料が無料の証券会社は、「PR」楽天証券 と「PR」SBI証券です。20年間続けると負けが無くなる
「S&P500に連動する投資信託」が価値を失うには、S&P500内の500社すべての株価がゼロになる必要があります。その様なことは、ほぼ無いと言えますし、20年経っても健在でしょう。
相場格言に「投資の第一のルールは『失うな』。 2つ目のルールは、最初のルールを忘れないことだ」と言うのがあります。株は相場に居て(投資して)待つことが出来た投資家に微笑みます。特に精神的に辛い「株が低迷しているときに待つことが出来た投資家」により微笑みかけてくれます。
「株式投資 第4版」ジェレミー・J.シーゲル著 によると、「500社全部買い」を20年間保有すると、年利で+1.0%~+12.6%になると説明されています。これは負け(マイナス)が無いという事です。中間値で6%くらいは期待してよさそうです。
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ジャックとジルの話
銀行預金の年利0.1%がもしも今後20年続いたとすると合計2%の利益となります。一方、S&P500インデックス投資は破綻の恐れがほぼ無く、損失の可能性も低い投資方法でありながら、年6%の平均複利⇒20年で3.2倍の可能性を秘めています。
アメリカでの逸話に「ジャックとジルの(投資)話」と言うのがあります。
話を要約すると、弟ジャックは1年あたり50万円を18歳〜25歳までの8年間投資しました。姉ジルは同じ金額を26歳~65歳の40年間投資しました。65歳時点でどちらの方がお金が増えているでしょうか?という話です。
話の流れの通り、たった8年間のみ投資した弟の方が、その後40年間投資した姉よりも多くの資産を持っていたという結論です。前提として複利金利9%が必要ですが、資産は1億7千万円ほどに膨らみます。
ここで、言いたいことは「早く、長く投資を行う」が重要だということです。
まとめ
- 株の銘柄の選び方を他人に委ねてはいけない。
- 選び方を得るには、高い授業料を支払うリスクがある。
- 最善解は「選ばず全部買う」ことです。
- 「全部買い」をして長期間(20年)保有するとリスクが減ります。
- 投資は早く始めるだけでとても有利になる。
おススメ書籍
株式が投資の中で最も効率が良いことを表したグラフです。
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