「-5%ルール」をS&P500の過去データーで検証

2021/10/10

普段は定期購入せず、5%下落した時のみ購入するという手法での調査となります。

以下に子細を定義して検証してみました。

また、毎月一定額購入する方法に比べて実効性があったのか比較してみます。

12/4追記)

12/4現在の直近高値は、11/18の 4706.64です。

5%下落値は、4471.30ですので、まだ購入シグナルは点灯していません。

「-5%ルール」の詳細な定義

ここでは、以下のように定義してみました。

  • 検証対象は、S&P500指標
  • 検証期間は、2000年1月3日から2021年10月8日まで
  • 2000年1月3日に最初の購入を行う。
  • 比較する直近高値は、直近購入日より過去にはさかのぼらない。
  • 毎日の終値とその時点での直近高値を比較して5%下落していたら購入するものとする。(実際はこのタイミングで購入出来ませんが、計算が面倒だったので…)

「-5%ルール」の検証結果は

結果は、購入回数138回、投資倍率361.9%でした。

購入タイミングは大方の予想通り、ITバブル崩壊とリーマンショック時に集中しています。ここ数年間ではコロナショックの時になるのでしょう。購入回数138回は、毎月購入の場合の262回と比較すると、2か月に1回購入する頻度に相当します。

「-10%ルール」ならどうなるのか…検証結果

結果は、購入回数38回、投資倍率361.7%でした。

投資倍率は-5%ルールとほぼ同じ結果になりました。なんとなく違和感のある結果だったので、他の下落率についても調べてみました。

さまざまな下落率ルールで比較してみた

結果は、「下落率を大きくしたルールにするほど、投資倍率が上昇する傾向にある」でした。

この結果は、予想通りというか、興味深いというか、偶々たまたまこうなったというか。筆者の違和感は、「少しぶれるはず」というものだったで、 想定通り、結果の数値がぶれてくれたので満足です。

-1%ルールの場合の投資倍率は329.6%であり、-20%ルールの場合の投資倍率は413.2%でした。差は、83.6%です。およそ22年間、トータルで1,000万円投資したと仮定すると、836万円の差がついたことになります。

しかし、-20%ルール運用は22年間に9回の購入チャンスしかなく、この瞬間におよそ100万円以上を一気につぎ込む判断をしなくてはなりません。また、その時の相場は下落相場であり阿鼻叫喚を極めていることでしょう。筆者にはルール通り実行できる気がしませんね。

-5%ルールは、相場がそれほど悲観化していない状態で、平準化すると頻度がおよそ2か月に1度という、いわば「いい感じで実行できそう」な点で優れているのかもしれません。

毎日、毎月、毎年購入と比較してみる

結果は、以下の通りです。

-5%ルールなどの下落時購入と比べるとかなり悪い結果がでました。下落時購入は過去においては非常に有効だったと思われます。これからの未来については各個人のご判断になります。

ここでひとつ気になるのは、「クレジットカードで投資信託を定期購入した場合における1%ポイント還元がどの程度有効なのか」です。

計算した結果….投資倍率300.7%でした。「月初に購入」に比べて3%改善しました。

まとめ

  • -5%ルールによる購入は、毎月購入に比べて投資効率が高かったと言える。
  • S&P500において2000年から-5%ルールで運用開始した場合、平準化すると2か月に一度の購入頻度になる。
  • 下落率を高く設定すると、投資効率が高くなる傾向があった。
  • 筆者は、この方法を採用しません。毎日下落率の監視が必要となるため「ほったらかし」にならないためです。