アメリカの物価の推移をグラフにしてみた
米国の物価推移をグラフ化しました。期間は、1971年~現在です。筆者はアメリカ(S&P500)に投資を続けるかどうかを判断する材料の一つにしています。2%を大きく超えるインフレが続いたり、デフレになったりしたら危険信号です。
総合指数・前年同月比の推移
直近2年間の推移
前年の同じ月と比較し変化率を表しています。
つまり、1年でどのくらい上がったのか?です。
2022年は総じて高いインフレとなり、インフレを抑えるために金利が上昇しました。金利上昇は経済を停滞させる効果がありますので、景気後退(リセッション)が起こると懸念されていました。
直近の2024年後半からは、2%台まで低下して市場は落ち着きを取り戻しています。
1971年~2024年の推移
年単位でグラフ化しました。
2022年には上昇率が6%を超えました。
これは1982年以来、32年ぶりでした。
2024年の値は11月までの平均値です。
直近の消費者物価指数
12月11日に、2024年11月分の公表がありました。
アメリカの消費者物価指数(CPI)とは
- 衣料、食料品など200品目の
価格変化を指数化。 - 2%が適正とされています。
- 2%を超えるとインフレ、
2%未満でデフレと呼びます。
消費者物価指数の公表値
項目 | 前回値 | 予想値 | 結果 |
---|---|---|---|
総合指数[CPI] | 2.6% | 2.7% | 2.7% |
コア指数[コアCPI] (生鮮食品及びエネルギーを除く) | 3.3% | 3.3% | 3.3% |
筆者は「指数の水準」、「前回値との変化」、「事前予想値との乖離」の3点について見ています。
今回は、
- 総合は2%台であり適正水準。
- 前回から0.1%上昇。
- 予想値と同じ。
- コア指数は前回と同じ。
- 予想値と同じ。
- 完全に無風な結果
「金利は高い、しかし物価は下がらず、景気は維持されている」という従来からの見方が強調された。
物価は十分に下落したと見ている方は「利下げ近い」との見方を強め、まだインフレが継続していると見ている方は「それでも景気は維持されている」との見方を強めたことから、株価は上昇の反応。しかし株価の割高感が出ると週末にかけて下落した。
消費者物価指数の内訳
米労働省労働統計局(US Bureau of Labor Statistics)
https://www.bls.gov/cpi/
から内訳を得ることが出来ます。
ニュースリリース
9月の都市部の全消費者の消費者物価指数は季節調整済みで0.2%上昇し、季節調整なしで過去12カ月間で2.4%上昇した。食料とエネルギーを除いた全項目の指数は9月に0.3%上昇した(SA)。年間で 3.3% 増加しました (NSA)。
さらに詳しく見るにはリンク先の「PDF」ファイルを見るのが良い方法です。
内訳で筆者が注目するのは、家賃を含む住居費です。家賃はすぐに値上げや値下げができないので他の値よりも遅れて変化する特性があります。住居費が明確に下がってきたらインフレは終焉したと判断しようと思っています。
11月の住居費(前月比)は0.3%上昇と10月の0.4%よりは下がったものの依然高い値を維持しています。年2%の上昇が適正とするならば、月当たりは0.165%になります。引き続き注視していきたいと考えています。
足踏みしながらも上昇する株と、明確には下がらない物価、景気は今のところ堅調。いまいち安定しない椅子に腰かけている感じで心地悪いです。
※筆者が信頼できると判断した情報および資料等に基づいておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねます。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合・前年同月比の推移
変動の大きい「生鮮食品とエネルギーを除いた」指数です。生鮮食品は天候に左右されやすく、景気とは無関係で価格が上下動します。エネルギー価格は、海外の情勢によって変動しやすい特徴があります。
コア指数はこれらの一時的な変動を排除することで、より根本的な物価の変動を表そうとしています。
直近2年間の推移
1971年~2024年の推移
2024年の値は11月までの平均値です。
日本の物価もグラフ化しています。
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