米国のGDP速報値の推移をグラフにしてみる
米国(S&P500インデックス・ファンド)に投資している筆者が、安心を得るためにチェックしている経済指標に、米国のGDPがあります。成長が続いているかどうかを確認するために見ています。
GDPとは、その国の経済規模を表しており、いわば「結果」の数字です。これから先を読む指標ではなく、答え合わせをする指標と筆者は捉えています。
直近のGDP発表の結果
アメリカのGDP(速報値)は、1、4、7、10月の年4回発表されます。1Q,2Q,3Q,4Qと表記され、7月に発表されたのは2024年2Q(4~6月)の結果です。
アメリカGDPの参照先は、アメリカ商務省です。
予想 | 結果 | |
---|---|---|
米国実質GDP(速報値) | 2.0% | 2.8% |
今回の結果は予想に対して大幅に良い結果が示されました。市場は好感を持って株価上昇となりました。前回が1.4%と低下傾向にあったため、利下げ局面、景気後退が近いと考えていましたがいったん持ち直したと感じています。しかし、今後の大統領選挙の結果やウクライナ情勢、中東情勢、ロシア-中国の蜜月関係、一部アジア国家が中国寄りの姿勢見せている点で気が抜けない局面と思っています。
アメリカ商務省の報告書には以下のことが記載されています。※DeepL.comで翻訳しました。
実質GDPの増加は主に個人消費、民間在庫投資、非住宅固定投資の増加を反映している。GDP算出の減算項目である輸入は増加した。
個人消費の増加はサービスと財の両方の増加を反映している。サービスでは、医療、住宅、公共事業、レクリエーション・サービスが主な貢献者であった。財では、自動車・同部品、レクリエーション用品・車両、家具・耐久消費財、ガソリン・その他エネルギー財が増加の主因となった。民間在庫投資の増加は主に卸売業と小売業の増加を反映しているが、鉱業、公益事業、建設業の減少で一部相殺された。非住宅固定投資では、設備と知的財産製品の増加が構造物の減少で一部相殺された。輸入の増加は、自動車を除く資本財が牽引した。
第1四半期と比べ、第2四半期の実質GDPの加速は主に民間在庫投資の好転と個人消費の加速を反映しています。これらの動きは、住宅固定投資の落ち込みにより一部相殺されました。当期ドル建てGDPは、第2四半期に年率5.2%、3,600億ドル増加し、28兆6,300億ドルの水準となりました。第1四半期のGDPは4.5%増の3,122億ドルだった。
国内総購入価格指数は、第1四半期の3.1%増に対し、第2四半期は2.3%増となりました(表4)。個人消費支出(PCE)価格指数は2.6%上昇しました。食品価格とエネルギー価格を除いたPCE価格指数は2.9%上昇しました。
個人所得
第 1 四半期の 3,968 億ドルの増加に対し、第 2 四半期は 2,376 億ドルの増加となった。この増加は主に、報酬および個人経常移転収入の増加を反映している。
可処分所得は、第1四半期の2,402億ドル(4.8%)の増加に対し、第2四半期は1,863億ドル(3.6%)の増加となった。実質可処分個人所得は1.3%の増加に対し、1.0%の増加となった。
個人貯蓄は、第1四半期の7,773億ドルに対し、第2四半期は7,205億ドルとなった。個人貯蓄率(可処分所得に占める個人貯蓄の割合)は、第1四半期の3.8%に対し、第2四半期は3.5%となった。
「個人消費の増加」が大きく寄与したとあります。「個人消費の増減」は最も注視が必要な項目ですので、「個人消費の加速」と言う表現はかなりポジティブな結果と思っています。
GDPの推移
2012年以降のGDPの推移をグラフ化しました。
直近の変化を読み取るのが困難なため、縦軸を拡大しています。近年は予想値と結果の乖離が大きめです。
2023年通年の実質GDP成長率は、2.5%(速報値)とのことです。
アメリカGDPの報告書のリンク
GDP(国内総生産)は、国内で生産された財とサービスの合計を示す指標です。数値の大きさは他国と比較することで経済活動の規模を知ることが出来ます。また、前回値や前年同期値と比較することで経済活動の成長率を知ることが出来ます。
アメリカのGDPは、主に4つの構成要素から成り立っています。
- 個人消費: 個人が商品やサービスを購入する際の支出を表します。
- 投資: 企業や個人が生産設備や在庫、住宅などに投資する支出を指します。
- 政府支出: 政府が国防、教育、公共インフラなどに支出する金額を表します。
- 純輸出: 輸出から輸入を差し引いた値です。
これを踏まえながらアメリカ商務省の報告書を読むことでより理解が深まります。
今後のGDP発表日について
今後の発表日は以下の通りです。
2024年3Q:2024/10/30
参照先:https://www.bea.gov/index.php/news/schedule
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