米国のGDP速報値の推移をグラフにしてみる
米国(S&P500インデックス・ファンド)に投資している筆者が、安心を得るためにチェックしている経済指標に、米国のGDPがあります。成長が続いているかどうかを確認するために見ています。
GDPとは、その国の経済規模を表しており、いわば「結果」の数字です。これから先を読む指標ではなく、答え合わせをする指標と筆者は捉えています。
直近のGDP発表の結果
アメリカのGDPは、1、4、7、10月の年4回発表されます。1Q,2Q,3Q,4Qと表記され、1月に発表されたのは2023年4Qの結果です。
アメリカGDPの参照先は、アメリカ商務省です。
予想 | 結果 | |
---|---|---|
米国実質GDP(速報値) | 2.0% | 3.3% |
今回の結果は予想に対して大幅に良い結果が示されました。市場は好感を持って株価上昇となりました。筆者は、利下げが先延ばしになっただけでなく、「利上げの可能性」が復活するのではないかと思ってしまいました。
アメリカ商務省の報告書には以下のことが記載されています。
実質GDPの増加は、個人消費、輸出、州・地方政府支出、非住宅固定投資、連邦政府支出、民間在庫投資、住宅固定投資の増加を反映している。輸入はGDPの計算で差し引かれるが、増加した。
個人消費の増加は、サービスと財の両方で見られ、食品サービスや宿泊施設、医療が主な増加要因となった。輸出では、財(石油が牽引)とサービス(金融サービスが牽引)の両方が増加した。州・地方政府支出の増加は、主に職員給与と建造物への投資が増加を反映している。非住宅固定投資の増加は、知的財産製品、構造物、設備の増加を示した。連邦政府支出では、非国防支出が増加した。在庫投資の増加は卸売業が牽引し、住宅固定投資の増加は新築住宅の増加を示した。輸入の増加は主にサービス業(旅行業が牽引)の増加を反映している。
2023年第3四半期と比較すると、第4四半期の実質GDPの減速は主に民間在庫投資、連邦政府支出、住宅固定投資、個人消費の減速を示し、輸入も減速した。
第4四半期の当期ドル建てGDPは、年率4.8%増の3,287億ドル増加し、27兆9,400億ドルとなった。第3四半期のGDPは8.3%増の5,471億ドルであった。
国内総購入価格指数は、第4四半期には1.9%増加し、第3四半期の2.9%増加から減速した。個人消費支出(PCE)価格指数は1.7%上昇し、食品とエネルギーを除いたPCE価格指数は2.0%上昇し、第3四半期と同じであった。
ChatGPT3.5に要約してもらいつつ、日本語に翻訳した結果をベースにしています。
数値的な結果を細かく列挙した感じですが、「個人消費の減速」には今後も注視が必要かなと思った次第です。
GDPの推移
2012年以降のGDPの推移をグラフ化しました。
直近の変化を読み取るのが困難なため、縦軸を拡大しています。近年は予想値と結果の乖離が大きめです。
2023年通年の実質GDP成長率は、2.5%(速報値)とのことです。
アメリカGDPの報告書のリンク
GDP(国内総生産)は、国内で生産された財とサービスの合計を示す指標です。数値の大きさは他国と比較することで経済活動の規模を知ることが出来ます。また、前回値や前年同期値と比較することで経済活動の成長率を知ることが出来ます。
アメリカのGDPは、主に4つの構成要素から成り立っています。
- 個人消費: 個人が商品やサービスを購入する際の支出を表します。
- 投資: 企業や個人が生産設備や在庫、住宅などに投資する支出を指します。
- 政府支出: 政府が国防、教育、公共インフラなどに支出する金額を表します。
- 純輸出: 輸出から輸入を差し引いた値です。
これを踏まえながらアメリカ商務省の報告書を読むことでより理解が深まります。
今後のGDP発表日について
今後の発表日は以下の通りです。
2024年1Q:2024/4/25
2024年2Q:2024/7/25
2024年3Q:2024/10/30
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